Long-running Agents — 放置で完成するAI

「こういうアプリ作って」と一回指示するだけで、 AIが何時間でも計画 → 実装 → デバッグを勝手に進めてくれる。 途中で「次どうする?」と聞かれることがほぼなくなった。

使い方はこれだけ
1
やりたいことを
日本語で書く
cursor.com/agents にアクセス
2
AIが計画を提案
「こう進めます」を確認
3
OKを押す
ここから放置OK
4
完成を待つ
数時間〜36時間で完成
これまでのAI と 何が変わったか
観点 これまで Long-running Agents
AIへの指示回数 10分おきに「次は?」と聞かれる 最初の1回だけ。あとは放置
作れるものの規模 1ページ、1機能ずつ アプリ全体を一気に構築
品質チェック 自分で確認が必要 複数AIが自動で相互チェック
プログラミング知識 エラー修正に多少必要 日本語の指示だけでほぼ完結

Cursor社内のテストでは、チャットプラットフォーム(外部ツール連携込み)を36時間で構築した事例や、 10,000行を超えるコードをほぼ問題なく生成した実績が報告されている。 「動くプロトタイプ」レベルなら、プログラミングの知識なしで手に入る時代になった。

Hands-on 1 AIに「計画だけ」立てさせてみよう 5分
Long-running Agents の入口である「計画立案」を体験します。 コードは書きません。AIがどんな計画を出すか見るだけです。
  1. Cursor を開き、Cmd + L でチャットを起動します
  2. 以下をそのままコピーして送信してください シンプルな自己紹介サイトを作りたいです。 名前、写真、趣味一覧、連絡フォームを含むページです。 まず計画を立ててください。コードはまだ書かないで。
  3. AIが返してくる計画を読んでみましょう
    ファイル構成、使う技術、完成イメージの説明が含まれているはずです。 「もっとシンプルに」「色は青系で」など追加の指示を出して計画を調整できます。
確認ポイント: 計画を先に出させることで、AIが的外れな方向に走るのを防げます。 いきなり「作って」と言うより、手戻りが格段に減ります。

スクリーンショット → コード変換

Figmaのデザイン、参考サイトのスクショ、手描きのワイヤーフレーム。 画像をドラッグ&ドロップして「この見た目で作って」と書くだけで、 動くページが数分で出来上がる。

スクショ → コードの3ステップ
1
画像を用意する
スクショ / Figma / 手描きOK
2
チャットに
ドラッグ&ドロップ
「この見た目で作って」と指示
3
コードが生成される
Apply → ブラウザで即確認
入力できる画像の種類
F
Figma デザイン
デザイナーが作った画面をスクショして、そのまま実装に変換
W
Webサイト参考
「このサイトみたいにして」と参考サイトのスクショを貼る
H
手描きスケッチ
ノートに書いたラフスケッチも認識。完璧でなくてOK
対応形式は JPEG / PNG / GIF / WebP の4種類。SVGは非対応(ファイルツリーに置いてコンテキストとして渡す運用が推奨)。 入力方法はドラッグ&ドロップとクリップボード貼り付け(Cmd+V)の2通り。
コピペ推奨プロンプト この画像のデザインを完全に再現してください。 HTML + CSS で実装して、モバイル対応もお願いします。 色やフォントサイズもできるだけ画像に近づけてください。
Hands-on 2 スクリーンショットからページを作ってみよう 10分
お気に入りのWebサイトのスクリーンショットを撮影し、 Cursor にドラッグ&ドロップしてページを再現させます。
  1. 好きなWebサイトのスクリーンショットを撮ります
    ブラウザで参考にしたいサイトを開き、Cmd + Shift + 4 で範囲キャプチャ。 デスクトップに保存されます。
  2. Cursor で空のフォルダを開きます
    File → Open Folder → デスクトップに新規フォルダを作って開く。
  3. Composer(Cmd + L)を開き、スクショをドラッグ&ドロップ
    チャット入力欄に画像ファイルをドラッグするか、クリップボードから Cmd + V で貼り付け。
  4. 以下のプロンプトを添えて送信します この画像のデザインを再現するHTMLファイルを index.html として作成してください。 モバイル対応もお願いします。
  5. 生成されたコードを Apply し、ブラウザで確認
    ターミナル(Ctrl + `)で open index.html を実行。 違う箇所があれば「ヘッダーの色をもう少し濃くして」など指示を追加。
確認ポイント: 完璧な再現でなくてOKです。8割くらい似ていれば成功。 残り2割は日本語で修正指示を出して追い込めます。

Composer 1.5 — 日本語の指示がもっと正確に伝わる

Cursor 自社開発のAIモデルが大幅に強化された。 「ログイン画面を作って。メールアドレスとパスワードのバリデーション付きで。」 のような複雑な指示でも、意図通りのコードが出てくる精度が上がった。

非エンジニアにとっての変化
場面 以前 Composer 1.5
UIの細かい指示 何度も言い直す必要あり 1回の指示でほぼ再現
長い会話の後半 前の指示を忘れがち 自動で要約して記憶を維持
エラーが出たとき 原因特定に時間がかかる 原因と修正をセットで提案
複雑なロジック 部分的にしか動かない 深く考えてから回答するので精度UP

Composer 1.5 は「簡単な指示は即回答、難しい指示はじっくり考える」という適応型の思考を持っている。 「色を変えて」のような指示は一瞬で、「決済機能付きの予約フォームを作って」のような指示は 必要な分だけ時間をかけて答える。非エンジニアの自然言語での指示に合った設計になっている。

非エンジニアの実践ワークフロー

プログラミングの知識がなくても、この流れに沿えばアプリやWebサイトが作れる。 「指示する → 確認する → 直す」の繰り返しだけ。

基本の5ステップ
1
準備
空フォルダを
Cursorで開く
2
計画
「計画立てて」と
まず聞く
3
指示
日本語で
作りたいものを書く
4
確認
ブラウザで
動作チェック
5
公開
Vercelで
無料デプロイ
プロンプトの書き方(良い例 vs 悪い例)
うまくいくプロンプト 失敗しやすいプロンプト
「ヘッダーだけ作って。ロゴは左、ナビは右。背景は白」 「かっこいいサイト全部作って」
「連絡フォームを追加して。名前・メール・メッセージの3項目」 「いい感じのフォームお願い」
「このボタンの色を #cc0000 に変えて。角丸を8pxに」 「ボタンをもっとおしゃれに」
「モバイルで見たとき、メニューがハンバーガーに変わるようにして」 「スマホ対応して」
Hands-on 3 自己紹介ページを作ってみよう 15分
Cursor の Agent に指示を出して、自分だけの自己紹介ページを完成させます。 プロンプトの「小分け」テクニックを実践します。
  1. 空のフォルダを開き、Composer を起動します(Cmd + L)
  2. まず骨格だけ作らせます 自己紹介ページを作ってください。ファイル名は index.html。 ページ構成: - ヘッダー(名前 + 肩書き) - 自己紹介文(3行程度のダミーテキスト) - スキル一覧(3つ) - フッター デザイン: 白背景、シンプル、モバイル対応。
  3. Apply して、ブラウザで確認します
    ターミナルで open index.html を実行。骨格ができているはずです。
  4. 小分けで指示を追加していきます ヘッダーの背景を濃いグレー (#1a1a1a) に変えて、文字を白にしてください。 1つの変更を確認してから、次の指示を出す。この繰り返しが失敗しないコツ。
  5. 自分の情報に書き換えます 自己紹介文を以下に変更してください。 名前: [あなたの名前] 肩書き: [あなたの肩書き] 自己紹介: [自由に書いてください]
確認ポイント: 1回の指示で全部やらせず、小分けにする。 これが非エンジニアがCursorを使うときの最重要テクニックです。

必須テクニック(非エンジニア版)

Cursor を使いこなしている非エンジニアが共通してやっていることを、 優先度順にまとめました。

1
「計画立てて」から始める
いきなり「作って」ではなく「このアイデアの計画を立てて」と聞く。 AIが先に設計案を出してくれるので、方向性が合っているか確認してから進められる。 手戻りが激減する、最重要の習慣。
2
プロンプトは小分け + 超詳細
「サイト全部作って」は失敗する。 「1. ヘッダーだけ作って」→「2. 次にフッター」→「3. 次に連絡フォーム」。 大きな指示を小さく分解するだけで成功率が劇的に上がる。
3
.cursorrules でAIにルールを覚えさせる
プロジェクトフォルダに .cursorrules ファイルを作り、 「常にシンプルなデザイン」「モバイルファースト」「日本語対応」と書いておく。 AIが全作業でこのルールを自動遵守してくれる。
4
スクショを活用する
言葉で説明するよりスクショを1枚貼る方が正確に伝わる。 Figmaデザイン、参考サイト、手描きスケッチ、何でもいい。 「この画像のデザインを完全に再現して」がいちばん強いプロンプト。
5
ブラウザで必ず動作確認する
生成されたコードは必ずブラウザで開いて確認。 おかしい部分があれば「この部分が動かない。理由と修正案を教えて」と聞く。 この習慣がないと、気づかないまま壊れたものが完成する。
6
非コード作業にも使う
Cursor はコードだけのツールではない。 会議メモを入れて「要約 + アクションアイテム作成」、 ブログ下書きの校正、データの整理。テキスト処理全般に強い。
Hands-on 4 .cursorrules ファイルを作ってみよう 5分
AIにルールを覚えさせる .cursorrules ファイルを自分で作ります。 一度作れば、そのプロジェクト内のすべての指示に自動適用されます。
  1. Composer を開き、以下をそのまま送信します プロジェクトフォルダ直下に .cursorrules ファイルを作成してください。 以下のルールを書き込んでください: - 常にシンプルで読みやすいデザインにすること - モバイルファーストで実装すること - 日本語でコメントを書くこと - 絵文字は使わないこと - 背景色は白系を基本とすること - フォントはシステムフォントを使うこと
  2. Apply を押して、ファイルが作られたことを確認します
    サイドバーのファイル一覧に .cursorrules が表示されれば成功です。
  3. 試しに何か指示を出して、ルールが効いているか確認 シンプルなボタン3つ並べたページを作ってください。 生成されたコードが、.cursorrules で指定したルールに従っているか見てみましょう。
確認ポイント: .cursorrules は「プロジェクト単位のAIへの常時指示」です。 毎回同じことを言わなくて済むので、指示の手間が大幅に減ります。

非エンジニアが実際に作っているもの

「こんなものも作れるの?」と思うかもしれないが、 以下はすべて非エンジニアがCursorで実際に作った事例として報告されているもの。

実名つきの成功事例
誰が 何をやったか
Meta PM Zevi Arnovitz氏 技術バックグラウンドなしで、CursorのAIワークフローを確立。実際にプロダクトをビルド&シップし、同社のエンジニアチームから「やり方を教えてほしい」と頼まれるレベルに到達。
非技術系スタートアップ創業者 マーケットプレイスのプロトタイプを3週間で構築。実ユーザーでテストし、初期資金調達まで達成。開発者を1人も雇わなかった。
デザイナー(sakkyb氏) Cursorのエージェントモードで vehicleexpirytracker.com を2週間弱で構築。100% AI生成コードのSaaSとして公開。
i3design 非エンジニアチーム CursorとWindsurfを併用し、サイト更新の効率を3倍に。従来エンジニアに依頼していた軽微な修正をPM・デザイナーが直接対応。
2025年Q4時点で、社内ツールの65%以上がAIファーストエディタで生成されている。 全コードの41%がAI生成またはAI支援によるもの。
ランディングページ
商品やサービスの紹介ページ。スクショ to Code で参考サイトに近いデザインを再現し、 テキストだけ差し替えて完成。最も手軽で成功しやすい。
業務自動化ツール
「このCSVを読み込んで、条件Aに合う行だけ抽出して、別ファイルに保存」 のような定型作業を自動化するスクリプト。Excelマクロの代わりに。
顧客管理ダッシュボード
顧客データの一覧表示、検索、フィルタリング。 社内ツールレベルなら数時間で動くプロトタイプができる。
予約システム
カレンダーで空き枠を表示 → 予約 → 確認メール送信。 Long-running Agents の登場で、この規模のアプリも1回の指示で構築可能に。
簡易SaaS(Stripe決済付き)
月額課金の仕組みを含むWebサービス。Stripe連携もAIに指示すれば組み込める。 ただしセキュリティ面はエンジニアの確認を推奨。
社内プロトタイプ
「こんなツールがあったら便利」というアイデアを、 エンジニアに頼む前に自分で形にして見せる。意思決定のスピードが変わる。

正直に伝えておきたいこと

Cursor は強力なツールだが、万能ではない。 使い始める前に知っておくべきことを率直にまとめた。

よくある誤解 実際のところ
完全にノーコードで使える エラーが出ることはある。ただし「このエラーを直して」とAIに貼れば大抵は解決する。コードを読める必要はないが、エラーメッセージをコピペする作業は発生する。
何でも本番運用できる プロトタイプや社内ツールには十分。だが外部に公開するサービスは、セキュリティ面でエンジニアのレビューを入れるべき。決済機能は特に注意。
AIが全部正しい たまに間違える。だからこそ必ずブラウザで動作確認する習慣が大事。「信頼するが検証する」のスタンスで。
他のツールより絶対に良い もっと手軽に始めたいなら Lovable や Replit Agent も選択肢。Cursor は「自由度が高いが、指示の出し方にコツがいる」ポジション。
セキュリティ面で守るべきこと: APIキーやパスワードを直接コードに書かない。 .env ファイルに環境変数として書く方法をAIに聞けば教えてくれる。 外部公開するものを作るときは、エンジニアに一度見てもらうのが安全。
非エンジニアがよくハマる5つのポイント
ハマりポイント 対処法
最初から巨大アプリを作ろうとする 機能を1つに絞った小さなプロジェクトから始める。ECサイト+認証+決済+管理画面を一度に要求すると、中途半端なコードの山になる。
環境構築で詰まる 画面が真っ白、npm installが通らない等。最初はLovableやReplitでプロトタイプを作り、理解が進んでからCursorに移行するステップアップ方式がおすすめ。
AIのコードを検証せずに使う Ask modeで「このコードにセキュリティ上の問題はある?」と質問する習慣をつける。動いているように見えても裏に問題が潜んでいることがある。
デプロイまでたどり着けない VercelやNetlifyの自動デプロイサービスを使う。Cursorのターミナルから数コマンドで公開できる。
正常系だけで満足する Plan modeで「エラーケースも含めた設計」を明示的にリクエストする。異常系を無視すると公開後に壊れる。

早く終わった方向け: Cursor で「最新情報まとめHTML」を作ってみよう

今見ているこのページと同じようなHTMLページを、Cursor の Agent に作らせてみましょう。 テーマは自由。「指示して → 確認して → 直す」のサイクルを自分で回すのが目的です。

BONUS
課題
Cursor Agent で解説ページを 1 から作る
目標: 3セクション以上の解説ページを完成させる。 プログラミングの知識は不要。AIに全部書かせて、あなたは「指示」と「確認」に集中。
1 テーマを決める 2分

何についてのページを作るか決めるだけ。内容は後でAIと一緒に考えれば大丈夫。

例 A: ChatGPT の便利な使い方まとめ
例 B: 自分のチームの紹介ページ
例 C: 今日の研修で学んだことまとめ
例 D: 好きなお店・サービスの紹介
2 AIに骨格を作らせる 5分

空フォルダを Cursor で開き、Composer(Cmd + L)で以下を送信します。 [ ] の部分だけ自分のテーマに書き換えてください。

コピーして使えるプロンプト [あなたのテーマ] についての解説ページを作ってください。 ファイル名: index.html 日本語で作成してください。 ページ構成: 1. ヘッダー(タイトルと概要) 2. [セクション1のタイトル] 3. [セクション2のタイトル] 4. [セクション3のタイトル] 5. まとめ 6. フッター デザイン: - 白背景ベース、アクセントカラーは赤 (#cc0000) - シンプルで読みやすいデザイン - モバイル対応 - 絵文字は使わない - 外部ライブラリは使わない(HTMLとCSSだけで) 各セクションにはダミーテキストを入れておいてください。
3 1セクションずつ中身を入れる 10分

骨格ができたら Apply → ブラウザで確認。 そのあと、セクションを1つずつ実際の内容に入れ替えていきます。

セクション入れ替えのプロンプト例 [セクション名] の中身を以下の内容に書き換えてください。 タイトル: [タイトル] 内容: [書きたいこと] 比較テーブルも1つ入れてほしいです。 列は「項目」「説明」の2列で、行は3つです。

1セクション終わるごとにブラウザで確認する。 これを省くと、最後にまとめて確認したとき大量の修正が必要になる。

4 見た目を整えて完成 5分

ブラウザで確認して気になった部分を直します。 「この色をもう少し暗く」「文字をもう少し大きく」など具体的に。 完成したら隣の方に見せて感想をもらいましょう。

さらに余裕がある方へ
Bronze
アクセントカラーを青 (#0066cc) に変えてみる
Silver
参考サイトのスクショを貼って「この見た目に近づけて」と指示する
Gold
.cursorrules を作成してデザインルールを定義する

おすすめ学習リソース

研修のあとも学び続けたい方へ。 すべて非エンジニア向けに作られたリソースだけを厳選しました。

まとめ

まず試すべきこと
スクショ → コード
参考サイトを貼るだけ
最重要習慣
計画を先に立てる
+ 小分けで指示する
忘れずに
ブラウザで
必ず動作確認